満員電車で腕ひしぎ

多摩キャンパスには一年の時に必修の体育を受けに行ってた。多摩キャンパスは東京と神奈川の境界にあり、山の中に不気味に広がっている。正門から入ってすぐ横の駐輪場に原付を止めてグラウンドヘ行くのだが山の中だから坂の連続。しかも、かなりの距離がある。どれくらい離れているかというと、門からグラウンドまで学内バスが通ってる。間にはいくつか停留所があるし。バスは学生が多いのでほとんど乗ったことがない。多摩キャンパスに近づくと体の芯に響く寒さに襲われる。山の中だから市街地に比べて如実に気温が低い。俺は原付で一時間ちょっとかけて通ってたから冬は地獄だった。電車でも行けたんだけど、最寄の駅からさらにバスを使わなければならないのでやめた。

 

いつも思うのだが、朝、中央線で上りと下りのホームで向き合っていると対照的だと思う。下りは車内に余裕があり、人々もこれから始まる一日に活力を持っている。上りは下りの15倍混んでいる。

上りに乗る人たちは皆、この世の不幸を一身に背負った顔をしている。帰りも同じだ。帰りに下りを利用すると帰宅ラッシュだ。俺も朝、下りに乗れる学生生活だったら人生変わったのだろうか。今は上りに乗りギュウギュウの車内で人ごみに関節技をキメられる毎日だ。マジで腕折れるんじゃないかと思うことがよくある。ちなみに受験の時、第一志望と第二志望は下りだった。あの受験の時、ソルトレイク五輪がなければ、受験の教室で腹ペコでお腹が鳴らなければ、俺は今、どうなっていたのか。今、通っているのは第三志望。負け組の哀れな末路だ。
あぁ〜テンション下がったから競馬新聞、買いに行こ。