しゃぶしゃぶ

今日の晩飯はしゃぶしゃぶだった。俺はしゃぶしゃぶが嫌いだ。味がどうこうというより、出てくる肉が何故か生意気にも折りたたまれているのが気に喰わん。まさに憎たらしい。俺は目の前のカロリーに対してゴール前のアドリアーノよりもアグレッシヴなので、あの鍋の中でユラユラさせて肉を広げるのが我慢ならん。

 

もぅイライラしちゃって辛抱たまらんのだ。あんな女々しい料理方法があっていいのか?俺はあふれ出すパッションに感化され、つい肉を鷲掴みにして大鍋にぶち込んでやりたくなってしまうのだ。想像して欲しい。

 

いい年した男がなかなか広がらない肉を鍋の中であくまでもソフトタッチでユラユラさせている後姿を。惨めだよ。同じ理由でカニも苦手だ。あいつらも俺を大いに苛立たせる。あいつらなかなか殻を脱がねぇ。こっちが脱がそうとすればするほど意固地になりやがる。こっちが力づくで脱がそうとしたら、たまに尖ったイボイボで反撃してきて、指から出血させられたりする。どうせ喰われるんだから、自分から気を利かせて殻を脱いでくるくらいの気のつく女になって欲しいものだ。カニだけど…